キッチンカー(移動販売)運営に必要な資格は2つ!食品衛生責任者と営業許可の取得方法を徹底解説
2026.05.08

キッチンカーの開業・運営にあたり、特別な国家資格は求められませんが、法律で定められた2つの要件を満たす必要があります。
それは「食品衛生責任者」の資格と、管轄保健所からの「営業許可」です。
一般的にイメージされがちな調理師免許は、必須ではありません。
この記事では、キッチンカーを始めるために不可欠な資格と許可について、その取得方法や注意点を具体的に解説します。
目 次
食品衛生責任者(調理師免許は不要)

キッチンカーで飲食物を提供する場合、各車両に必ず1名以上の「食品衛生責任者」を設置することが食品衛生法で義務付けられています。
調理師免許を持たない人でも、この責任者資格を取得することでキッチンカーの開業ができます。
食品衛生責任者資格とは

食品衛生責任者とは、施設における食品衛生上の管理運営を担う責任者のことです。
この資格は、調理師や栄養士のように高度な技術や長期間の修業を証明するものではなく、食品の取り扱いに関する衛生知識を備えていることを示すものです。そのため、特別な実務経験がなくても、食品を安全に提供するための基礎を学べば取得できます。
キッチンカーの営業許可を申請する際には、この資格を保有していることが前提条件となります。店舗を持たない移動販売であっても、食中毒の防止や衛生管理を適切に行う責任があるため、開業にあたって避けては通れない非常に重要な資格です。
食品衛生責任者資格の取得方法

食品衛生責任者の資格は、各都道府県の食品衛生協会が開催している「食品衛生責任者養成講習会」を受講することで取得できます。
ただし、栄養士や調理師の免許を保有している人や、大学で医学、薬学、農芸化学などの課程を修了した人は、講習会の受講が免除されます。
養成講習会の日程は都道府県ごとに異なり、開催頻度も地域によって様々です。
また、各回には定員が設けられているため、開業スケジュールに合わせて早めに開催日を確認し、予約することが重要です。
食品衛生責任者資格の更新期間

食品衛生責任者養成講習会を修了すると交付される修了証には、有効期限は設定されておらず、一度取得すれば更新の必要はありません。
しかし、食品衛生に関する知識を最新の状態に保つため、地域によっては数年に一度「実務講習会」の受講が義務付けられている場合があります。この実務講習会も、開催回数や定員が限られていることがあるため、該当地域で営業する際には、早めに日程を確認して受講予約をすることをおすすめします。
講習は公衆衛生学や食品衛生学などの科目で構成されており、食品を安全に提供するための基礎知識を学びます。キッチンカーの開業において、最も基本的な要件となります。

食品衛生責任者養成講習会の受講費用

食品衛生責任者の資格取得に必要な「食品衛生責任者養成講習会」には、受講費用がかかります。
費用は各都道府県で異なり、おおむね1万円前後が目安です。
例えば、東京都では12,000円、長野県や兵庫県尼崎市では10,000円(いずれも2024年7月時点)となっています。
また、資格取得後に受講が義務付けられることがある「実務講習会」にも費用が必要な場合がありますが、地域によっては無料で実施しているところもあります。
▶︎キッチンカーの開業資金はいくら?資金内訳と調達方法をご紹介
食品衛生責任者資格は全国共通

食品衛生責任者の資格は、調理師免許と同様に全国で通用します。
そのため、ある都道府県で資格を取得した後、別の都道府県でキッチンカーを開業する場合でも、養成講習会を再受講する必要はありません。
移転先の保健所で手続きを行う際に、取得済みの養成講習会修了証書を提示すれば、そのまま資格が認められます。これにより、出店場所を柔軟に変更することが可能です。

保健所の営業許可

キッチンカーで食品を提供し営業活動を行うには、食品衛生責任者の資格に加えて、出店する地域を管轄する保健所から「営業許可」を取得することが不可欠です。
この許可は、車両の設備が衛生基準を満たしていることを証明するものであり、無許可での営業は法律で禁止されています。
許可なく営業した場合には、罰則の対象となるため注意が必要です。
食品の移動販売に必要な手続き

キッチンカーをはじめとする食品の移動販売を行う場合、取り扱う食品の種類や販売形態に応じて、法律で定められた手続きが求められます。
具体的には、「営業許可の取得が必要」「営業の届出が必要」「いずれも不要」の3つに分類されますが、車内で調理を行うキッチンカーの運営は、基本的に「営業許可の取得が必要」に該当します。
許可を得るためには、保健所が定める車両の設備基準などを満たす必要がありますので、開業前に必ず確認しましょう。
キッチンカーには飲食店営業許可が必要

2021年6月の食品衛生法改正により、それまで販売メニューに応じて「喫茶店営業」や「菓子製造業」など複数の種類に分かれていた許可が「飲食店営業」に一本化されました。
これにより、1つの許可で多様なメニューの提供が可能になりました。
▶︎キッチンカーの営業許可の取り方は?保健所に見られるポイントもご紹介
出店する都道府県や地域ごとの申請が必要

食品衛生責任者の資格は一度取得すれば全国で有効ですが、保健所の営業許可は異なります。
キッチンカーで営業する場合、出店したい地域を管轄する保健所ごとに営業許可を取得しなければなりません。例えば、東京都と神奈川県の両方で出店するには、それぞれの保健所で許可が必要です。
許可の基準や見解は地域ごとに細かな違いがあるため、手間はかかりますが、出店を計画しているすべての地域で、事前に保健所に相談し、要件を確認することが不可欠です。
営業許可取得および開業までの5ステップ

キッチンカーを開業し、営業許可を取得するまでの準備は、大きく5つのステップに分けられます。
それぞれの段階で具体的に何をすべきかを理解し、計画的に進めることがスムーズな開業につながります。
以下で、各ステップについて詳しく解説します。
1.保健所での事前相談による合格条件確認

営業許可取得の最初のステップは、出店予定地域を管轄する保健所での事前相談です。
2021年の食品衛生法改正でキッチンカーの設備に関する全国的な基準が示されましたが、給排水タンクの容量や設置場所など、細かな要件は地域ごとに異なるのが現状です。
これらの詳細はホームページなどでは確認しきれないため、直接保健所へ出向き、合格に必要な条件を確認することが重要です。
相談の際は、販売予定のメニューや車内での調理工程、車両の図面などを用意していくことをおすすめします。
2.合格基準を満たしたキッチンカーの発注

保健所で営業許可の合格基準を確認したら、その条件を満たすキッチンカーを発注します。
車両の知識に詳しい場合を除き、キッチンカーの製作実績が豊富な専門店で新規製作で購入することをおすすめします。
実績の多い会社は、様々な地域の保健所の基準にも精通しているため安心です。
製作会社との打ち合わせでは、保健所で確認した情報を正確に伝え、基準を満たした車両が製作されるようにしましょう。
車のサイズや種類によっても使い勝手は大きく異なるため、慎重に選ぶことが大切です。
▶︎キッチンカーの値段はいくら?サイズごとの特徴や新車・中古・DIYのメリットも解説
3.営業許可申請用書類の準備

キッチンカーは発注から納車までに数ヶ月かかることもあります。
この期間を利用して、保健所に提出する営業許可申請用の書類一式を準備しましょう。
必要な書類は、営業許可申請書、施設の概要図、食品衛生責任者の資格証などですが、これも管轄の保健所によって異なるため、事前に必ず確認が必要です。
書類が完成したら、提出前に保健所の担当者に不備がないかチェックしてもらうと、検査当日の手続きがスムーズに進みます。
4.保健所でのキッチンカー(移動販売車)の検査

キッチンカーが納車されたら、車両を保健所に持ち込み、設備の検査を受けます。
納車日が確定した時点で保健所に連絡し、検査日を予約しておきましょう。
事前相談で確認した内容や、打ち合わせ通りの設備が整っていれば、検査は問題なく合格するはずです。
もし基準に適合しない点があると、改善して再度検査を受ける必要が生じ、その分キッチンカーの開業が遅れてしまいます。準備を万全にして検査に臨むことが重要です。
保健所では、車両だけではなく、「正しい動きができるかどうか」を見られます。この動きの部分で落ちてしまうケースが多く、初めての営業許可取得に時間がかかってしまいます。ここで取得代行を頼んでしまうと、他のエリアを取る時にまた代行費がかかる、もしくは自分で取れなくて時間がかかります。
そこで「キッチンカー製作の王様」では、車両納車後の営業許可取得のサポートに力を入れております。車両の提供だけではなく、保健所で見られるポイントを教えてくれたり、必要な備品を教えてくれたりと、営業許可取得マニュアルをもらうことができます。
⬇︎初めての方はキッチンカー製作の王様に相談してみましょう。オンラインでも可能なようです。

5.キッチンカーの営業開始と営業許可証の交付

保健所の検査に合格すると、後日、営業許可証が交付されます。交付までには通常2週間ほどかかりますが、地域によっては許可証の交付を待たずに営業を開始できる場合もあります。
ただし、この運用は管轄の保健所によって異なるため、営業を開始できるタイミングについては必ず事前に確認してください。
交付予定日になったら、指定された持ち物を持参して保健所へ行き、正式に営業許可証を受け取ります。
仕込み場所の確認が必須

提供するメニューによっては、車内での調理だけでなく、事前の仕込みが必要になる場合があります。
その際、保健所が営業許可を出した別の「仕込み場所」を確保しなければ、キッチンカーの営業許可が下りない地域があるので注意が必要です。
また、「どこまでが仕込みにあたるか」という解釈も保健所ごとに異なります。
例えば、クレープ生地を混ぜ合わせる工程を「仕込み」と判断する地域もあれば、そうでない地域もあります。出店予定地の保健所に、自身のメニューで仕込み場所が必要になるか事前に確認することが不可欠です。
仕込みが必要になる場合は、1.5tキッチンカーもしくはレンタルキッチンや飲食店のアイドルタイムを借りたりなど、仕込み場所を用意しておかないといけません。
おすすめは「1.5t車で営業すること」
家を営業許可用に改造したり、レンタルキッチンを借りるとなると、かなりの額がかかってきてしまいます。1.5t車ならキッチンカーとして営業できますし、車内仕込みOKなので、車両費のみで済みます。
営業許可の有効期間は5年

キッチンカーの営業許可には有効期間があり、通常は5年間です。
有効期限のない食品衛生責任者の資格とは異なり、定期的な更新が必要なため注意しましょう。
営業を継続するには、有効期間が満了する約1ヶ月前までに、管轄の保健所で更新手続きを行う必要があります。
更新を忘れると無許可営業となってしまうため、許可証に記載されている有効期限は必ず確認し、管理しておくことが重要です。
まとめ
キッチンカー(移動販売車)の運営に必要な資格は、「食品衛生責任者」と「保健所の営業許可」の2つです。
特に保健所の営業許可は、出店する都道府県や市区町村ごとに取得が必要で、細かいルールや見解の違いがあるため、最初のステップとして保健所への事前相談が非常に重要になります。これらの手続きを着実に進めることが、スムーズな開業の鍵です。
キッチンカーの開業や運営に関する一連の手続きをより詳しく学びたい人には、無料で参加できるセミナーなどもおすすめです。
⬇︎「キッチンカー製作の王様」の開業セミナーや車両見学のご相談はこちら
